11月10日(木)

「スタッフ研修会」

「ファミリー」の理事でもある佐瀨美惠子さんを講師に招き研修会を開催しました。テーマは「高齢者虐待を防止するケア・制度~権利擁護の視点に基づく支援~」の第二弾です。研修の内容は以下の内容でした。今回も認知症対応型のデイサービスのスタッフとして、多岐の課題を考える良い学びの時間となりました。

「養介護施設従事者等による高齢者虐待とは」高齢者に対し、身体に外傷、又は外傷が生じるおそれのある暴行。著しい減食、長時間放置。著しい暴言、拒絶的な対応、心理的外傷を与える言動。わいせつな行為する、させる。不当に財産上の利益を得る。などが挙げられる。

「専門職の責務は」高齢者虐待を発見しやすい立場にあることを自覚し、早期発見に努めなけらばならない。

「早期発見から支援へ」専門職は通報義務と通報努力義務を負う。※介護施設での虐待についても職員に市町村への通報を義務づけ、内部告発した職員が解雇などの不利益を被らないよう規定。

高齢者虐待と不適切ケアには明確な境界線がなく、不適切なケアを底辺として連続しているものと捉えることができる。※不適切ケア→倫理的に問題のある行為。

虐待や不適切なケアが生じる背景(組織運営、ケアの質、ストレス等)を理解し、ストレスマネジメント、アンガーマネジメントを。

身体拘束の理解。例えば、徘徊しないよう車いす、ベッド等へ体幹、四肢をひも等で縛る。ベッドを柵で囲む。介護衣(つなぎ服)を着せる。向精神薬を過剰に服用させる等。

ユマニチュードに学ぶ→害を与えないケア。感覚・感情・言語による包括的コミュニケーションに基づいたケアの技法。

虐待事例を介護職として考える。認知症の母をたたいてしまった私。介護もう限界、誰に相談すれば。サービスを拒否する息子。夫を介護する80歳の妻等。

虐待を防ぐためには、地域と施設の情報共有と連携支援が必要。専門職からの擁護者への共感的理解→体調への気遣い、介護や苦労への評価、話を聞く等。介護環境から認知症の人の権利を考える→PEAP。認知症の人の希望を叶える→ヘルプカードの活用。認知症の人の思い、能力を支援し、保証する。